とりあえず映画の話を少々。
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さて今日のテーマは、「恋愛映画から学ぶ、人生における分散の重要性」である。
私が大好きな映画の”愛がなんだ”と、”おんなのこきらい”をベースにお話ししていく。
『愛がなんだ』から学ぶ
私の大好きな今泉力也監督の代表作の一つだ。
超ざっくり説明すると、主人公のテルコがマモルにひたすら片思いの恋愛をする映画である。
主人公のテルコは異常なまでにマモルのことを愛している。
マモルに呼ばれたらお風呂に入っている途中でも電話に出てすぐに駆けつける。
バイトの面接中でもマモルから電話がきたら面接をすっぽかしてマモルのところへ向かう。
四六時中マモルのことだけを考えていて、完全にマモルが中心の生活になってしまっている。
ここで今回掘り下げたいポイントが、「なぜテルコはここまでマモルに入れ込んでしまうのか」というところだ。
マモル役が成田凌さんなので、そりゃ惚れるだろ。という意見は一旦置いておいて、内面的な部分にフォーカスしたい。
というのも、本作の中ではマモルも決してモテるタイプの人間ではない。
仕事はそれなりに頑張っているがそれ以外は平凡な人間。
趣味も少ない。友達も多くはなさそう。
片思いのすみれさんにもなかなか振り向いてもらえない。
ではなぜテルコはそんなマモルに惚れるのか。それは、「テルコにはマモル以外に何もない」からだと推測する。
恋愛対象の話ではない。人生において、ということだ。
テルコには特に趣味や熱中していることがない。
仕事も正直何をしているのかよくわからない。
友達も葉子という子以外には登場しない。
ファッションにもインテリアにも、本当にこだわりがないということも見てわかる。
そんな中で、人生で唯一熱中できるものがマモルだったのである。
他に何もないからマモルに異常なまでに熱を注ぎ、他のことは何を手をつけられなくなってしまう。
これが原因なのだ。
ここで本記事のタイトルである「人生における分散」についての話に戻る。
仮にテルコが仕事や趣味など、熱中できるものが恋愛以外にも複数あったとしたらどうだろうか。
恐らくここまでマモルに没頭することにはならなかったのではないか。
人生の中で熱を注いでいる柱が何本もあれば、そのうちの1本が倒れても他でカバーできるからだ。
恋愛しかない人生だったら、それが無くなったら人生全てが終わってしまう。
それを恐れて必要以上に入れ込んでしまうというわけだ。
そして本作に限らず、多くの場合そういった恋愛は失敗する。
仕事も頑張るし、熱中できる趣味もある。
家族や友人、仕事仲間との人間関係も良好な上でする恋愛の方が、精神的に安定感が生まれ、結果うまくいくのだと思う。
『おんなのこきらい』から学ぶ
こちらは愛がなんだに比べると知名度は低いが、学びの多い作品である。
おんなのこきらいは、2015年の森川葵さん主演の映画。
主人公のキリコは職場などで男性からモテモテで、とにかく男性を虜にすることや可愛いを作ることに命をかけている。
男性からは非常に人気がある一方で、自分よりモテない女性はバカにするなどして女性からの評価は最悪。
しかし彼女にとって女性からの評価などはどうでもいいので問題はないのだ。
男性からモテさえいればよい。
まあ簡単に言うと、あざとくて、性格の悪い女だ。
そんなキリコがある日、営業先のお客さんにいつのも手口でこびを売って、関係を作ろうと迫った。
しかしそれが上手くいかなかったのだ。
「自分は男に媚び打ってれば、何もかもうまくいくって思ってるでしょ。なんかそういうのが疲れるんです」
そう言われたのだ。
この瞬間からキリコの人生はどんどん崩れていく。
本当に気持ちいいほどにどんどん崩れ落ちていく。
これまで「恋愛」「可愛い」「モテる」に命をかけてきたので、それが通用しなくなった瞬間に絶望が訪れるのだ。
それが、キリコにとっての全てだったから。
人生における分散の重要性
今回紹介した2人の主人公はどちらも恋愛に人生を全ベットしたパターンでだったが、何においても言えることだと思う。
例えば仕事だけを頑張っていても、仕事がうまくいかなくなったら大ダメージだろう。
いろんなことをやっていると力が分散してしまいそうなものだが、逆にそっちの方がパフォーマンスが出せるのではないかと思う。
自分以外にはこれ以外もある。だから最悪失敗しても大丈夫だ。
という精神的安定性や余裕があるから、むしろ何事も上手くいく。
このブログを書いているのも、趣味や仕事の分散活動の一環というわけだ。
分散することでどれかが上手くいなくなったときに備えるというリスク分散になるだけでなく、単純に人生の充実感が増す。
今頑張っていることがなかったり1つしかない場合は、新しい趣味や仕事にチャレンジしてみてはいかががだろうか。
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